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日本鳥学会の2024年度大会が東京大学農学部キャンパスで開催されました。
そこに科学部でも活躍している中学2年生の生徒が9月15日(日曜日)に『コアジサシはなぜ鳴くのか』というテーマでポスター発表を行いました。
発表ははじめ緊張感が伝わってきたものの、自分の行ってきた観察に基づいた調査結果なので、次第に流暢にかつ、自信をもって話せるようになってきました。多くの方々にも興味を持っていただき感謝しながら発表をすることができ、ひとり一人に丁寧に説明をすることができました。
コアジサシ(Sternula albifrons)は、魚を主な餌とし、コロニーを作る。コアジサシの研究はコロニーでの繁殖状況の解明に重点が置かれているが、この研究ではコロニー周辺での行動について自身で行った観察をもとに考察する。
狩り場では、コアジサシが「きっり、きりり」としきりに鳴いている様子がうかがえる。コアジサシは、集団で同じ方向に動くわけでもないが、なぜか鳴く。動物行動学の観点から考えると、「より少ないエネルギーで、より多くの餌をとる」という行動が理に適う。しかし、小さな肺で大きな声を出して鳴くのはなぜだろうか。
観察した結果、ほかのコアジサシがいないと鳴かないことが分かった。このことから仲間が関係していると思われる。また、飛行しているコアジサシが急接近すると鳴き声のテンポが速くなることが判明した。このことから、お互いの間隔をあけるために泣いていると予想した。これらのことについて、コアジサシの形態などから考察する。